OSC JAPAN SECURITY NEWSBRIEF


June 09, 2020 

 

 

<新型コロナウイルス対策における対応とセミナー中止のお知らせ>


当社は6月3日の「海外赴任前研修」について中止とさせていただきました。7月1日以降は開催予定です。


但し、御希望の方には、別途、安全対策の講義のみ実施させていただきます。ウェビナー(リモート研修)あるいは、少人数(3人以内)での対面式研修で実施致します。


希望される方は、メール( kenshu@globalsecurity.jp )にて当社にお問い合わせください。



目  次

[米国] シアトル市中心部 男が抗議デモ隊に向かって銃撃
[米国・中国] トランプ大統領 中国のウイグル人弾圧に対する制裁法案に署名予定
[メキシコ] グアナファト州 薬物更生施設で 武装集団が銃乱射 10人死亡
[マレーシア] ジョホール州 国際人身売買組織を摘発 メンバー40人逮捕
[フィリピン] アルバイ州 犯罪集団「コンセプシオン」と銃撃戦 メンバー1人射殺
[英国] 南西部ブリストル市 奴隷商人の像をデモ隊が引き倒し川へ投棄 賛否両論
[ベルギー] ベルギー政府 低迷した国内旅行の活性化目指し 全居住者に列車の乗車券配布へ
[ニュージーランド] 新型コロナウイルスの新規感染者ゼロを達成 制限措置を解除
[そのほか]
[6月8日に発出した渡航情報]

[米国] シアトル市中心部 男が抗議デモ隊に向かって銃撃

シアトル市中心部パイン通りで7日夜、警察による人種差別や暴力に抗議するデモに参加していた男性が、デモ隊に向かって車両を発進させようとした男を制止した際、男に撃たれ負傷する事件が発生した。男は、路上に配置していた警察官に逮捕された。男は車両を発進しようとしたが、デモ隊に阻まれたため、運転席の窓側にいた同男性に向け発砲したとされる。事件は、数百人規模のデモ隊がバリケードを破り突進したため、警察部隊が閃光弾など放つなど応戦する最中に起きた。殺意の有無など、詳細は現段階では明らかになっていない。シアトルでは数百人規模のデモが7日目を迎え、警察部隊とデモ隊の間でにらみ合いが続いている。
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[米国・中国] トランプ大統領 中国のウイグル人弾圧に対する制裁法案に署名予定

米国関係筋は8日、本年5月に上下両院において共和・民主両党の賛成多数で可決した、中国政府のウイグル人に対する人権抑圧に関わった個人への経済制裁法案に、トランプ大統領が署名する考えであることを示唆した。署名の日程等は明らかになっていない。これに対し、駐米中国大使は「中国の対テロ政策及び急進化防止対策に対する深刻な内政干渉である」として強い遺憾の意を表明した。同法案を起草した議員は、中国政府高官でウイグル自治区の共産党書記である陳全国氏を、同自治区における人権抑圧の首謀者として名指ししている。国連の調査では、同氏が主導したとされるウイグル人強制収容キャンプには100万人以上が監禁されているとみられる。
(人権問題は双方に)
(コメント:米下院は昨年12月に「ウイグル人権法案」を可決して、中国でのウイグル系少数民族への弾圧を停止することを求め、中国政府は内政干渉だとして強く反発していた。今年5月には、ウイグル人への人権抑圧に関わった個人に対する経済法案を共和、民主両党の賛成で可決し、トランプ大統領の署名を求めていた。トランプ大統領が署名を示唆したのは、中国の人権問題に焦点をあてて、米国民の人種差別問題への関心を逸らす意図も見え隠れする。米国は現在、コロナ問題、人種差別問題、経済減速と国民生活に直結する大きな課題を抱えている。まずは国内問題の解決に専念することが、国民の理解を得られる「自国第一主義」になるのだろうが、「米国内を分断する大統領」と言われるなど秋の大統領選挙に向けての支持基盤もゆらぎつつある。)
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[メキシコ] グアナファト州 薬物更生施設で 武装集団が銃乱射 10人死亡

メキシコ中部グアナファト州当局は6日、州都グアナファト市南郊イラアプトにある薬物更生施設で同日、武装3人組が銃を乱射し、患者10人が死亡したと明らかにした。犯行グループは特定されていない。同市では、昨年12月と今年2月に薬物更生施設でそれぞれ若者20人と4人が武装集団に誘拐される事件が発生している。激化する麻薬組織間抗争を背景とした薬物更生施設を標的とする事件が後を絶たない。また、関連する殺人事件も多発している。今年に入り、すでに同州での殺人事件は1,500件(全国約11,500件)に達している。
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[マレーシア] ジョホール州 国際人身売買組織を摘発 メンバー40人逮捕

マレー半島の最南端に位置するジョホール州の警察と国家警察当局の合同捜査班は6月4日から7日にかけて、同州内の数ヶ所で国際的な人身売買組織に対する摘発作戦を実施し、同組織のメンバー40人(うち女1人、インドネシア人19人:22〜58歳)を逮捕した。アヨブ・カン同州警察本部長が8日に発表した。同本部長によると、当該組織は過去6年間にわたって、毎月500〜600人のインドネシア人移民をインドネシア・リアウ諸島州バタム島からジョホール州東部海岸の数ヶ所を経由して同州の港町メルシンに不法入国させていた。移民からは1人につき、1,200〜1,400リンギット(約3万5,000円)を「運送料」として徴収していたという。逮捕された40人は、3人が組織のエージェント、10人は海上運搬役、15人は陸上運搬役、12人は移民の「暫定収容施設」の世話役と役割分担がなされていた。また、合同捜査班は、同組織が使用していたFRP(繊維強化プラスチック)製ボート8艘、バンなどの車両17台、携帯電話114台などを押収した。同本部長は、今回の作戦で東部海岸を拠点にする組織はほぼ一掃したとしており、今後は同州西部海岸地域で暗躍する組織に対して類似の摘発作戦を実施することを示唆した。
(入出国禁止をかいくぐって)
(コメント:ジョホール州沖合は、マレーシア、シンガポール、インドネシアが海峡を隔てて隣接していることもあり、人身売買や不法移民を乗せた船やタンカーが度々摘発されている。5日にはジョホール州警察当局は、スリランカ移民127人を輸送していた船を拿捕し、組織のメンバー10人以上を逮捕した。新型コロナウイルス感染防止で3国共に自国民以外の入出国を原則禁止していることから、合法的な移民や出稼ぎも停止している。違法な運搬人が活動の場を増やしている可能性もある。これらの国で新たに家事などの使用人を雇うときは、労働ビザや身分証明書のチェックを怠らないようにしていただきたい。)
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[フィリピン] アルバイ州 犯罪集団「コンセプシオン」と銃撃戦 メンバー1人射殺

ルソン島最南部・アルバイ州リボン町で8日未明、警察特殊部隊(SWAT)と陸軍当局の合同部隊が凶悪犯罪集団「コンセプシオン」と銃撃戦を展開し、同集団のメンバー1人を射殺した。合同部隊側はSWAT隊員1人が負傷した。合同部隊は、同集団のボス、ギルバート・コンセプシオン容疑者ら計6人に対して殺人罪などでの逮捕状を執行するためにアジトに接近したところ、同集団側が先に発砲してきたために応戦したという。銃撃戦後に合同部隊は死亡した1人を含む6人全員の身柄を確保した。また、アジトからはM-16自動小銃1丁と拳銃1丁、複数の弾丸入り弾倉などを押収した。
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[英国] 南西部ブリストル市 奴隷商人の像をデモ隊が引き倒し川へ投棄 賛否両論

複数の報道によれば、英南西部のブリストル市で7日、人種差別に抗議するデモが行われ、デモ隊が市内中心部に立っていた17世紀の奴隷商人エドワード・コルストンの銅像を引き倒したのち川に投棄した。これに関し、黒人の同市市長は、「像自体が侮辱であり、このたびの市民の行動を容認する」との見解を示した。一方、英ジョンソン首相や警察当局は、「像の存在に異議があれば民主的に撤去を主張する方法がある。今回の行為は犯罪である」としている。先月に米国ミネソタ州で発生した、白人警察官による黒人男性の殺害に端を発した人種差別反対デモは、この日、全英各地で行われた。ほとんどが平和的なデモであったが、ロンドンでは暴動に発展、警察官8人が負傷し12人が逮捕された。
(器物破損は犯罪)
(コメント:奴隷商人だった人物が銅像まで建てられて讃えられているのが不思議だが、コルストンが奴隷貿易で財を成して遺産を寄付した篤志家と聞き半分納得した。疑問は、銅像が建てられてから奴隷商人だったことに異論が出なかったのかということだ。そうした疑問はブリストル市民の多くが持っていたようで、人種差別の抗議デモの最中に像が倒された上で水中へ投棄された。デモの参加者からは喝さいが上がったが、行為そのものは器物破損だから犯罪として立件されるだろう。デモ参加者は連帯感と高揚感が異常に高まり、ちょっとしたきっかけで暴動や混乱に陥ることがある。平和裏のデモに集中することが大事だ。)
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[ベルギー] ベルギー政府 低迷した国内旅行の活性化目指し 全居住者に列車の乗車券配布へ

ベルギー政府は6日、新型コロナウイルスの封鎖措置で低迷した国内旅行並びに経済を活性化させるため、国内の全居住者に列車の片道乗車券10枚を配布する方針を発表した。無料乗車券配布は、付加価値税(VAT)の引き下げなどを盛り込んだ経済活性化対策の一つで、ベルギーの全居住者に配布され、7月1日から12月31日までにベルギー国有鉄道(SNCB)の列車に利用できる。欧州との国境封鎖は今月15日に解除され、国内観光に欧州圏内から観光客を呼び込む狙いがあるとみられる。一方、SNCBは、利用客並びに職員に対する感染予防対策などの導入、さらにそれを管理する上での財源が問題になると、事前協議のない政府の一方的な方針を非難した。同国では、新型コロナウイルスの封鎖措置が5月4日から段階的に解除され、6月8日には最終段階の飲食店やホテルの営業が再開される。
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[ニュージーランド] 新型コロナウイルスの新規感染者ゼロを達成 制限措置を解除

ニュージーランドは8日、国内の新型コロナウイルスの新規感染者がゼロになったと発表し、9日午前零時に入国規制以外のすべての社会的・経済的制限を解除した。社会的距離規制も解除され、イベントや小売業・接客業、公共交通機関の再開が認められる。一方、入国者の検疫は継続され、オーストラリアとの旅行規制の解除については先送りとなった。アーダーン首相は、「我々は国内での新型コロナウイルス感染を根絶したと自負しているが、これは一時のことではなく、継続的な努力が必要」との考えを示した。7週間に及んだロックダウンを含む制限措置が功を奏したとされ、アーダーン首相のリーダーシップが世界から賞賛されている。今後の経済回復が政府の課題となるが、最近の調査により、今年9月の選挙では同首相が2期目の当選を果たすと見込まれている。2月下旬に初の感染者が出て以降、同国で確認された感染者は1,154人で、死亡者は22人に留まっている。
(第2波の検証が始まる)
(コメント:ニュージーランドで1,154人目の感染者が報告されたのは5月22日で、20日間新規感染者が出ていないことから国内での流行は終息したとして、政府は国内の制限をすべて解除した。38歳の若き女性リーダーのコロナ抑え込みの手腕は高く評価されている。母親でもある首相は自宅からリモート画面を通して、国民からの意見や質問に対して丁寧でわかりやすく説明し、国民の共感と支持を受けていた。南半球のニュージーランドはこれから冬を迎える。この冬を流行なしに乗り切ることができたら9月の再選は間違いないだろう。新型コロナウイルスの第2波の有無がニュージーランドで検証されることになる。)
 

新型コロナウイルスに関連する最新情報は、毎日更新されているWHOのCoronavirus disease (COVID-2019) situation reports( https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/situation-reports 
)を参考にしてください。
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[そのほか]

[米国] ニューヨーク市警察官の不当な扱いへの苦情の大半は黒人やヒスパニック系の若者による 遊戯やランニング等の無害な行為も警察が取調べ
[米国] コロナ禍での失業者増大に乗じ 不正に入手した個人情報で失業保険を違法に受け取る犯罪が横行 被害実態が把握困難な状態に
[米国] シカゴ 5月31日は24時間で18人の殺人を記録 60年間で最多の犠牲者
[米国・カナダ] デトロイトの抗議行動上空を飛行中の米国国境警備隊のヘリコプター カナダ側からレーザーを照射した男を逮捕
[中国] 中国外務省 米国の上院議員の「欧米でのコロナウイルスワクチン開発を中国が妨害している」との発言に反論 証拠の提示を求める
[中国] コロナウイルスの国内の新たな感染者はゼロ(7日時点) 海外から持ち込み感染者は4人 無症状感染者は2人に
[シンガポール] SNSに宗教的なヘイトスピーチを投稿し暴力扇動 19歳の華人職業校生を逮捕 最高刑罰は禁錮5年
[インドネシア] 最西端・アチェ州 西アチェ県県議会議員の自宅敷地で手榴弾爆発 負傷者なし 威嚇目的で投擲か 犯行動機など捜査
[フィリピン] マニラ首都圏パラニャーケ市 夜間外出禁止令施行中に街頭で屯していた住民125人を拘束 「家に篭っているくらいなら逮捕された方が良い」とうそぶく
[リビア] UAEがエジプト主導のLNAとGNAの停戦及び政治的解決への和平交渉を支持と表明
[ナイジェリア] ボルノ州の軍事基地をイスラム国の西アフリカ州(ISWAP)が襲撃 兵士6人死亡
[ケニア] 国立公園・ビーチ等の保護地区での使い捨てプラスチックを禁止
[英国] 大学の研究結果 欧州主要11ヶ国でのコロナウイルス対策の封鎖措置で300万人の死亡者が防げたとの評価
[英国] 英国への全ての入国者に対する14日間の自己隔離の行動制限措置を開始 違反の場合1,000ポンド(約14万円)の罰金もしくは訴追
[フランス] 政府 逮捕時に警察官による被疑者の首を圧迫する「チョークホールド」を禁止に
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[6月8日に発出した渡航情報]

<外務省>
渡航勧告及び危険情報の更新・発令はありませんでした。

各情報の詳細は外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/


<米国務省>
・ 全世界:「新型コロナウイルスに関する情報」の更新
「各国情報は、米国務省ホームページの各国ページで確認して下さい。」
・ セルビア:「危険情報」の更新(6/9)
「6/10の午後8時からパルチザンスタジアムでパルチザン・ベオグラードとレッドスターFC93が対戦。過去には、両チームのフーリガン間で衝突が発生している。交通渋滞の可能性があり、警察による警備が強化される。当該エリアを避けてください。」

各情報の詳細は米国務省ホームページ:https://travel.state.gov/content/travel/en/traveladvisories/traveladvisories.html
及びツィッター:https://twitter.com/travelgov/


<英外務省>
・ 全世界:「新型コロナウイルスに関する情報」の更新
「各国情報は、英外務省ホームページの各国ページで確認して下さい。」

各情報の詳細は英外務省ホームページ:https://www.gov.uk/foreign-travel-advice
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